現地の美味しいものを食べることこそ旅に出る目的の私。
今回もそのつもりでNくんに「何が美味しいの?」と聞くと、
「スウェーデンに美味しいものはない!」とつれないお返事。
えええーっ?
北欧は、食べるものに対する執着が薄く、
特に「スウェーデン料理」と呼ばれるものはひどいらしい。
ううーん。でも、なにかあるのでは!?
そう信じてやってきましたが、敵はなかなか手強かった。


まず、物価が異常に高い。
そして私は「現地の人が行く安く汚くて美味しい食堂みたいなところへ行きたい」と
リクエストしていたのですが、その系統の店が全くない!
そもそも食に興味のある人が少ないとはいえ、
毎日をファストフードやホットドックスタンド
(それでも日本よりは断然高い金額)で済ませる人々の層か、
一品に2000〜3000円の大枚をはたいても美味しい料理(外国料理が多い)
を食べたい層にまっぷたつ。
中間層はないのか〜!?


ちなみに後者の豪華レストランは特に観光客向けというわけではありません。
物価も高いが税金も高く、将来のための貯金をする習慣がないため、
現地の人でもけっこう豪勢な値段のゴハンを食べているらしい。
いやはや困った…と思いつつ、
とりあえず最初は、大枚はたき系スウェーデン料理にトライ。
そして「……んんー。この味にこの値段を出すなら!」と途中から路線変更。笑
せっかくデザイン大国に来ているのだから、
(そのためレストランの内装などのレベルは非常に高いです)
雰囲気を含めたトータルでの食生活を楽しもうということに。
要するに、良い雰囲気のレストランならイタリアンでもフレンチでもOKってことですな。


Nくんも「普段は、スウェーデン料理になんてお金を出したくない。
トルコ料理やタイ料理を食べてるよ」とのこと。
というわけで、はからずもレストランチェックを含めた食巡りとなりました。

■ピッティパンナ pyttipanna

天気の良い昼間に1人でぶらぶらと散歩をしていると、
みんながテラスで気持ちよさそうにランチを楽しんでいるレストランを発見。
「何食べてるのかな〜」とテーブルを覗いてみると、
むむっ!? 
あれは“伝統的スウェーデン料理”としてガイドブックに載っていた、
「ピッティパンナ」ではありませんか! 
さっそく入店。


この料理は、さいの目に切ったポテトをニンニクやベーコンと炒め、
ビーツでつくったソースと半熟の目玉焼きをのせたもの。
ビーツソースは日本ではあまり馴染みがありませんが、
それ以外はまあ想像通りの味です。笑
でも生ビールには合うなあ。
ちなみにサラダ・パン食べ放題、生ビール1杯で108SEK(約1700円)。


この店は店員くんがとにかくイケメンで思わず隠し撮り(なにやってんだ)。
「英語のメニューはないんですが、よかったらボクが通訳します」とか、
はにかみ笑顔で言われた日には「アナタのおすすめをください!」ですワ。

関係ないけど、斜め前に座ってたおばあちゃん二人組が、
席に運ばれてきた料理(黒パンの上に茹で海老とタルタルソースをのせた
オープンサンド)を前にしても20分くらい口を付けず気になる。
ああ、おしゃべりは後にして早く食べてあげて〜。泣
サングラスに生ビールでカッコイイおばあちゃん二人組でしたけども。

■ ガムラスタン(旧市街)のスウェーデン料理屋
石畳が続く旧市街にある比較的お手ごろ価格のスウェーデン料理レストランへ。
130年前からある建物とかで、素朴ながらも雰囲気は悪くないです。
なぜかBGMがオペラやインド音楽と意味不明な選曲なのが気になりますが。


まずは、これぞ伝統料理!なミートボールkottbullarを注文。
ラズベリーのような甘いソースが添えられているが、
スウェーデン料理には何にでもこのソースがこってりついてくる。


それとシャンピニオン(キノコ)のクレープ包み。
キノコはよく食べる食材らしく、市場などでも立派なものを良く見かけた。
生クリームで煮たキノコをクレープ(だと思ってたら、こちらではパンケーキ
と呼ぶらしい。パンケーキにしては薄いような気が…)で包んだもの。
付け合わせは、生のニンジンなどにオーロラソースがかけてある。


「スウェーデン人に好物を聞くと、すぐにミートボールとか、
パンケーキとかって返事が返ってくる。
でも大のオトナが食べる食いもんじゃない!」とNくんは否定的。笑
たしかに「んー、まあ普通の味?」でしたが。
ひとり110SEK(1760円くらい)。

■「Per lei」 http://www.perlei.se/
去年、いろいろな現地雑誌で“本年度No.1”を獲得したというイタリアン。
中心地から少し離れたところにあり、看板もない小さなお店。
とはいえ店内は超シックで、インテリアから小物までステキすぎるー!
「うわっ、ココいいねえ」といきなり盛り上がってしまった。
金髪ポニーテールのサーブのおねえさんもキュートで、
にこにことフレンドリーかつ礼儀正しい接客が気持ちいいです。


きりっと冷えたさっぱり目の白ワインを飲みつつ、
(底が微妙に平らになっているワイングラスがまたカワイイ)
メインの料理を決める。
いかにも良い塩と油を使っているサラダと自家製パンが先に出てきます。
ほんのりと温かいパンにはフェンネルが練り混まれていて良い香り。


私はラムのロースト煮込み野菜添え、バルサミコソース。
Nくんは魚のグリル ほうれん草と松の実とレーズンのソテー添えをセレクト。
これがまた、北欧には珍しく素材の味をちゃんといかした味付け!旨い!

こちらでは新鮮な食材でもすぐ「リンゴのジャムをべったり」とかやるらしいので。


インテリアの洗練具合やマフィアのような他の客を眺めつつ、デザートに突入。
私はショコラアイスクリーム。添えられた果実が甘酸っぱくてまたぴったり。
Nくんはチョコレートを食べていた。


カプチーノを飲みつつ「ああ〜、満足!!」なゴハンでした。
ひとり250SEK(約4000円)。

■ 市場レストラン
ストックホルムには「ヒョートリエ」と呼ばれるビル内の市場があります。
(詳しくは「2.やっぱり市場」を参照)
あまりの面白さに興奮状態でシャッターをきりまくっていると、
「ん?魚売り場の横に、なにやら美味しそうな店が…?」。
そこは市場に付きものの安くて美味しい魚料理食堂!
わー、こういうの大好き!


メニューを見ると(英語メニューがないのでNくんに読みあげてもらった)、
目移りするような素晴らしい魚料理大集合。そして安い!
その日の夕食はすでに決めていたので、翌日にあらためて訪れた。


ほかの客を観察すると、どうも魚のスープみたいなのが人気らしい。
そこでNくんはそのスープ。私は「lax pudding」という鮭の料理。
スープは、まさに大当たりの美味しさ!
(後で知ったけど、店名になっているような看板メニューだった)
いろいろな魚からダシが出まくったトマト仕立ての熱々スープ。
ダシに使った魚はこしてなめらかにし、具としてむき海老や貝をたっぷり、
上にはとろけるチーズが乗せられています。
パン・サラダ食べ放題付きで70SEK(約1120円)はすごい。


「lax pudding」75SEK(1200円)は、ポテトスライスと厚切りの鮭を重ね、
玉子液を流し込んでオーブンで焼いたモノ。キッシュっぽい。
ディルがたっぷり添えられています。


鮭はどこのお店で食べても、生でも焼いても間違いないなあ。

■「BERNS」
日本でもおなじみの家具セレクトショップのドン、テレンス・コンラン郷
店内デザインを担当したというレストラン「BERNS」。
かなり古い建物(舞踏会場とかだったのか?)をきちんといかした、
良い意味でコンランセレクトすぎない内装だった。
天井がむちゃくちゃ高くて豪華絢爛! 客層も年齢層高め。


でもさすがビュッフェ形式発祥の地、
(スウェーデン語では「スモーゴスボード」)
こんな店でもビュッフェをやってるんですよ。わーい。
メニューはなかなか豪華。
まあワインを1杯飲んで1人250SEK(4500円)だから当たり前か。


以下並んでいたものの羅列です。
生サーモンやマグロなどのお刺身、酢めし、海苔など寿司セット、
ローストビーフ、グリルチキン、アボカドとフェタチーズのサラダ、
ジェノバソースの冷製ペンネ、ハムとチーズを巻いたトルティーヤ、
野菜の煮物、数種類のチーズとパン、ハンバーグ、ソーセージグリル、
ベーコン&スクランブルエッグ、ワッフル、グリーンピースのポタージュ、
数種類のデザート、コーヒーや紅茶などなど。

サーモン用にはタルタルとかいろんなソースが並んでいたけど、
ワサビ醤油で食べるのが一番美味しかった。
とんでもなく脂がのってて、ホントに完璧なトロサーモン。すごいです!


温製メニューになるといきなりハンバーグとかベーコンとかになるんだよな…
そのへんをもうちょっと充実させていただきたいわ。


でもデザートが、んま〜い!
ふわふわ濃厚なティラミス、あったかいワッフル+生クリーム+ベリーソース。
甘党のNくんは「スウェーデンのデザートでこの美味しさは珍しい」と、
何個も食べまくっておりました。

■「5METIO 4YRA」http://www.bar54.se
店名の由来は「54番地にあるから」。
外から見た雰囲気が良かったので、夕方頃に「ビール呑もう」と入る。
赤いソファーがかわいい店内は、意外と落ち着いたムード。


最初は大人しくビールだけを呑みつつ話をしていたものの、
メニューを見ていたNくんがふと、
「230SEK(約3680円)でシャンパンのボトルが呑めるんやなあ…」とつぶやいた。
ちなみに普段のNくんは貧乏学生なので、「1日2食食べたら贅沢」みたいな
信じがたい食生活を送っている。
でも食い道楽の私が遊びに来てしまったため何とかつきあってくれているのだ。
すまないねえ…でも、元々は食べるのも呑むのも大好きな人なので
気持ちを切り替えて楽しんでくれていたようなのですが!?


とにかくもう、そんなことを言われてしまったらいきなりシャンパンモード。
「お祝いしてないし(何の?)」「ビールをずっと呑むより安いかも」などと、
都合の良い話にして「すいませーん、シャンパンください!」


窓の外はまだ明るくて、ここは海外で、やらなくちゃいけないことは何もない。
体の調子は良いし、お金はたくさんないけどちょっとはあるし、
目の前にはややこしいことナシの大好きな頼れる男友だちがいるし、
「あー、しあわせ!」と思いながらよく冷えた美味しいシャンパンを呑む。


ついでに「食べるものも欲しい!」とスペアリブBBQを頼む。
果実系のソースに漬け込まれたやわらかいリブ、アボカドのディップ、
大きな皮付きのポテトフライ。


手と口のまわりをベタベタにしつつ骨をしゃぶってシャンパンを呑むのって、
なかなか良いものです。

■IKEA CAFE
スウェーデン発、ヨーロッパなどで展開されている家具&雑貨ショップの
「IKEA」に併設されたカフェ。
この店自体が、激安系(でも商品デザインはとんでもなく良い)なので、
カフェのごはんももちろんお手ごろ価格。
家族でやってきて、1日楽しんで帰るっぽいファミリー層が多かった。


自分でトレーを持ってカウンターまで行き、好きなものを注文するシステム。
サラダなどの前菜からミートボール(お得意)、パスタ(ゆでて置いてあって、
お世辞にも美味しそうではない…!? スウェーデン人は気にしてなさそう)、
お肉料理にデザートとメニューはいろいろ。


私たちは「チキンフィレソテーとマッシュポテトの白ごま衣焼き、煮野菜添え」。
またしてもジャムっぽい甘いソースががっつりかかってます。ははは…。


でもまあ、これでパンがついて45SEK(約720円)だもんなあ。
スウェーデンでは驚異的な値段ですよ。ちなみにコーヒーは5SEK(80円)。

■ビール呑み屋
物価が高いということは、ビールも高い。
でもビールなしで1週間過ごすなんて、私にはムリ!!!
というわけで、Nくんが「市内最安値/ビール」の語彙でネット検索。
生ビール1杯19SEK(320円)のパブを探してきてくれた。わーい。


いかにも近所の酒好きが集まる店で、さっそくビールをぐびぐび。
味はかなりサッパリしてるけど美味しい。でも泡がない!
こちらの人々は、「クリーミーな泡が…」とか気にしないのかしら。

おつまみにはイカフライのチリソース、鶏の串焼き。


つまみを食べつつ呑んでいると、現地の若者たちが話しかけてきた。
イラン人とアメリカ人だが、スウェーデン語の方が達者らしくて、
Nくんとはスウェーデン語で話している。
彼らと私とは英語で、私とNくんは日本語。ぐちゃぐちゃですなあ。


すごく真面目な学生(歯科関係を勉強している!?)のようで、
「日本と中国の最近のトラブルについて」などという話をふってくる。
いやー、それは私の語学力はもちろん日本語でも説明が難しいんですがっ。
ちなみにこの飲み屋は数日後にも行ったが、やっぱりみんな話しかけてきた。
好奇心旺盛ですなー。
共通しているのは、「日本はお金がいっぱいあって最先端な国だ」という認識!
う〜ん、それも微妙なところなんですが。

■ ケバブ屋
市場の中にあるケバブ屋さん。
移民の人々も多いので、ケバブなどのトルコ料理屋も実はけっこうある。
市場に置いてあるお総菜もトルコ総菜が多いです。


安くてボリュームがあって美味しい!と、貧乏学生の味方・ケバブ。
私もトルコを旅行していたときは食べまくってたなあ。
物価の高めなギリシャでもお世話になりました(ちなみにギリシャでは、
ピタパンのようなものにお肉やフライドポテトなどを挟む「ギロ」になる。
そういえばこのピタパン系の文化は中東の巻きサンドイッチ「ファラフェル」
にもつながってますなー。どこも安くてボリュームあって美味しいのは共通)。


私はピタパンに肉を挟んだ小さめのサイズ25SEK(400円)。
Nくんはミニフランスパンのような大きなサイズで35SEKでした。
お肉はやわらかいし、程良い香辛料で旨い!


嬉しかったのは、飲み放題の冷たいヨーグルトドリンク「アイラン」。
塩味のヨーグルトドリンクで、トルコなどでは超ポピュラーな飲み物。
ケバブにはコレだよな〜、懐かしい。
ちょっと薄目だったけど、がぶがぶ飲んでしまいました。

■お手軽FOODいろいろ
<ハンバーガー>
マックやバーガーキングはもちろん、
新興勢力らしきチェーン店ハンバーガー屋もたくさん。
そして値段は、ハンバーガーとフライドポテトとコーヒーで55SEK(880円)
くらい。日本に比べると断然お高いですな〜。
味は、日本とあんまり変わらないんですけどね。


<ホットドッグ>
街のいたる所にあるのが、このホットドッグスタンド。
20SEKのシンプルなタイプから、こってりとチーズやらサルサやらが乗った
豪華版までメニューはいろいろ。
ソーセージの種類も太さや材料などいろいろ選べるらしい。
私は細長いパンにソーセージを突き刺したタイプのものを選んだ。
天井からつるされたでかいサーバーから、マスタード&ケチャップをかける。


<シナモンロール>
Nくんオススメのシナモンロール。
駅併設のコンビニみたいなところでショーケースに入って良く売っている。
コーヒー付きで15SEK(240円)は、たしかにお金がないときの味方かも。
シナモン&シュガーががっつり入ってて、「ジャンクな味がたまらん〜」とNくん。


<アイスクリーム>
スウェーデン人はアイスクリームが大好きらしくて、
アイスクリームショップも町中にある。
どちらかといえば、さらっとしたジェラートっぽい食感。
キャラメルとかチョコレートとか、わりとごっついフレーバーが多いみたい。
レモンやパイナップルなどさっぱりしたシャーベットもいろいろあります。


<ラクリス・かめるキャンディー>

日本では馴染みのない味として紹介されたのが、「ラクリス」。
何かの果実が原料らしいのですが、こちらでは大人気。
基本はグミのようなお菓子で、なんつーか、昆布のような黒飴のような…
正直言って「?」な味です。
「だいぶ食べられるようになってきた」とNくんは言ってましたが、
んー、日本に買って帰るとまちがいなく「いやげもの」系ですな。


屋台で売っていた「かめるキャンディー」。
細長いねじねじ状になっており、いろいろな種類(もちろんラクリス味も)が
あります。どれも地球の自然に反したものすごい色…。
私たちは「ジャンク系で!」と無難なコーラ味にしました。
ぶらぶら川沿いを散歩しながら食べていると、けっこう食べ切れちゃう。

 

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