「あるもの出すわー」などと言いながら奥さんが出してくれたのは、
「あるもの」なんてとんでもない、目が釘付けになるラインナップ。
さよりと丸イカの干物、豆腐の梅かけ、トマトとタマネギのサラダいしりドレッシング、
きゅうりスティック、漬け物3種、白いご飯、味噌汁。


干物は両方とも、さわるとしっとりしてやわらかい。
いしり(石川県に伝わる技法の魚醤。東南アジアでいうナンプラーやニョクマムですね。
日本の魚醤は、秋田のしょっつるといしりだけ。「さんなみ」では一番絞りのモノを、
ご主人自ら作って料理に使っている)にさっと漬けてから干物にしているらしい。
さよりはサッと炙る程度。いかはもう少し焼くと、熱々の濃厚なはらわたがトロトロ!
……んまーい! ホントにチーズみたいになるのね。すごいな。

白いご飯と交互に食べつつ、大根や枝豆(!)の自家製漬け物をつまみます。
素朴な舌触りの豆腐の上には、これまた奥さんが漬けた梅干しのタレ。
梅をわざわざタレにしたと言うよりは、しぜんにとろけてきたらしい。へえー。
トゲトゲしない、やわらかくて甘い酸味です。


畑でとれた野菜でつくったサラダは、湯むきしたトマト+オニオンスライスに、
いしりで作ったさっぱりドレッシング。
氷水のグラスにつかった冷たいきゅうりスティックは、
能登の塩(結晶みたいな大粒!甘くて美味しい塩)をつけて食べます。
熱々の味噌汁を飲んで、また白いご飯…。ああ、いきなりおかわりしてしまいそう。


食後、腹ごなしに近所を散歩&撮影。
畑や裏庭、柚子の木などを見て回る。
この宿の食卓に出るモノは、基本的に自家栽培か知人から買ったモノ。
お米は近所の田んぼだし、魚は地元の漁港から。野菜は、ほとんどが山orこの畑からだ。
無農薬で育てられているレタスやハーブは葉がゆさゆさ。ナスは大きくないけど色が濃いな。
柚子は今年は不作らしくて実ってなかったけど、それならそれで良いみたい。
できたものを、できただけ食べることにすれば問題ないんだよねえ。確かに。
たくさんとれた時は保存食にするというスバラシイ知恵と技術もあるのだし。


あー、それにしてもなんだか夏のような日射しだ。
宿の周囲は坂道が多い。てくてく歩いていても、ほとんど誰にも会いません。
この地方独自の共通点がある建築物を眺めながら、ぐるっとまわって帰る。


宿に戻って、しばし自分の部屋で昼寝。日射しにやられたみたいだ…。
(ちなみにこの宿は3部屋しかなく、今年の週末は11月末までいっぱいとか。
平日は、ほんのちらほらとなら空きアリらしいですよ)
窓を網戸にし、座布団を枕にしてパタンと横になったらすぐに熟睡。
ちょうど日陰になる時間帯で、涼しい風がそよそよと入ってくる。なんて静かなのかしら……。

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