スペインといえばバル!
なにはともあれ、それには間違いありません(断言)。
バル(BAR)とは、カフェ、集会所、食堂、もちろん居酒屋の役目を持つ、
スペインのどんな小さな町にも1軒はある店のこと。
朝から晩まで開いていて、「1日5回食事する」と言われるスペイン人が、
つねに出入りしています。
そして、何より素晴らしいのは、ショーケースに並ぶ作りおきツマミ。
「タパス」と呼ばれる小皿料理ですが、注文は好きなものを指差すだけでOK。
英語がほとんど通じない国なので、
ひたすら「トマレエスト(これください)!」と言いつつ指差しておりました…。
● 初日の「ホッパー」バル
夜中にマドリッドに着き、荷物を置いてすぐに街を探索。
とりあえずビール飲ませろ!おりゃー!
うろうろした結果、目に止まったのは路地裏にある地味〜なバル。
「なんか、ホッパーの絵みたいな店だな…」
あの絵ほど閑散としているわけではないのですが、
路地裏から見た光の陰影と、
カウンターに男女が座って静かにビール呑んでる感じがちょっとね。
結果としては、1軒目にしてはかなりアタリ!
深夜なのにひっきりなしに地元の人々が入ってくる。
仕事明けらしきブルーカラー風のおやっさんが多かったです。
じゃがいも入りオムレツ(250円)、血と米のソーセージ(300円スパイスが効いてて美味!)、
クリームクロケット(500円)などなど。
今さらですけど、サンミゲルってスペインのビールだったのね。
生ビールを延々と深夜までがぶがぶ。ついでにハウスワインで初日から呑んだくれる。
● ビアホールならグラスもでかい!セルベッセリア
セルベッセリアとは、「セルベッサ=ビール」というわけで「ビアホール」のこと。
「自国のワインを自分たちで消費しちゃうから輸出量が少ない」と言われるほど、
ワイン好きのイメージがあるスペイン人ですが、ビールも大好きらしく、
いたるところで「セルベッセリア」を見かけました。
ここは、バルセロナを散歩していたら前を通りかかった店。
いい天気の中、生ビール(グラスが大きくて満足。笑)道沿いテラス席でカンパーイ!
小イカのフライ(塩+レモン)、パンコントマテ(バゲットに、トマトのすりおろし、
にんにく、オリーブオイルをたっぷり)、フェタチーズとトマトとオリーブのバジルサラダ、
きのこのガーリック炒め、ガリシア風たこ(やわらかくゆでて、パプリカたっぷり)…。
んあー、たまらんね!
● 列車乗り遅れカルロス青年のおごりバル
マドリッドで、ビールを求めて適当に入った街角の小さな店。
シャキッとした黒人系のおかみさんがやっていて、本当にひとことも英語が通じない!
(当然ながら、基本的にいわゆる観光客向けの店は避けていますが、
それでも旅行中で1、2を争うほどに地元民しか来ないらしい店。
例えるならば、京成エリアの小汚い食堂に突如外国人観光客が入って来た状態)
とりあえず「ドス、セルベッサ(ビールふたつ)!」と頼んでみたものの、
その後の会話は「●△□×…?」という感じ。
そこで「誰か英語わかる人―!」おかみさんがほかの客に声をかけると、
「オレ、わかるよ〜」と出てきたのが、ほろ酔いの青年カルロス君。
「助かった!」と思ったのもつかの間、「●△□×!」って、全然わかんないんじゃん!笑
でもなぜか同行のNくん(スペイン語は、まったく話せない)は和やかに談笑。
外国暮らしで慣らした「わかってないけどわかっているように見える、
相手の言葉復唱会話術」なるものを駆使しているようです。すげえ!
でもこのカルロス君、非常に気のいい青年で、
「この人たちにビール2つね!」「コレとあれとあれも出して!」と、
ビールやツマミをガンガンおごってくれました。
自分たちで頼んだものも含まれていますが、
ブルーチーズ、チョリソー、オイルサーディン、ハムステーキ…
オリーブサラダなどなど…そのほかもろもろ。どれも山盛り!食べ切れん!
スペインのつまみ(タパス)=小皿盛りと思い込んでいたのがあっけなく崩れる。
そしてビールとワインを延々と呑んで、ふたりで30ユーロ(約4500円)。
実はカルロス君、マドリッドから実家に帰るはずの電車に乗り遅れ(チケット持ってた)、
そのままバルで飲んだくれている最中だった。あはは、さすがラテン。
でもママからかかってきた電話に「ママーン!ごめんよ!帰るはずだったんだよ〜」
と必死でいいわけしていたのが非常にかわいかったです。
● アルモドバル映画帰りにセルベッセリア
バルセロナでアルモドバルの新作映画を見て、帰りに一杯。
「スペインでアルモドバルの映画を見る」というミーハー具合で出かけたのですが、
私は敢え無く熟睡…いいもーん、日本で見るもーん!!(悔)
Nくんはまたしても「面白かった!」(しつこいようですが、スペイン語はわからない)
だそうです。とほほ。
つまみは、あさりのソテー、蟹ツメのフライ、ワカサギのフライ。
どれも、店の前に山盛りになっていたものを温めなおしてもらったもの。
それと、もちろん生ビールね!
● 軽食いろいろ
昼食に重きをおくので、朝はパンとコーヒーで軽めに…というスペイン人が多いらしい。
でも私たちは、朝からしっかりおなかがすくので、
サンドイッチやコーヒーをいただいていました。
ちなみにコーヒーは、「カフェ・コン・レチェ(カフェオレみたいなの)」が主流。
もしくはエスプレッソ。
いわゆる日本の「コーヒー」を飲みたい場合は、
「カフェ・アメリカーノ(エスプレッソをお湯で薄める)」というと出てきます。
・マドリッドの喫煙OK&ちょい悪オヤジバル
ヨーロッパも、禁煙の波が押し寄せているそうですが、
スペイン人は、まったく関係なくぶかぶか吸っていた。
(入り口に貼ってあった禁煙マークは、実は斜線のない「喫煙OK」マーク!)
それにしても「ちょい悪」スーツ系オヤジが多いこと。かっこええ!
この日の朝は、巨大なハムとチーズのクロワッサンサンド、ツナバージョンを頼んで、
半分個していただく。それとエスプレッソも2杯ずつ。
・ 黒船襲来の地元民バルで酒のツマミ朝食
日曜日は、おそろしくどの店も定休日。
バルセロナでの朝、目をつけていたパン屋もしまっていたのでがっくりだわ〜。
そこでうろうろしていると、地元おっちゃん率100%のバルが開いてる!
入ると一瞬ギョッとされたが、クロワッサンとコーヒーを頼んでみた。
ついでに、「おなかすいたね…」と、カウンターのショーケースにあるツマミを適当に。
すると、これが超美味!
モツの煮込みとチョリソーらしいが、
モツはむちむちとろとろ…くくー、たまらん!朝から一杯やりたいわ!
クロワッサン、コーヒー、モツ煮という謎の組み合わせ…。
隣の席には、クロワッサン+ビールという朝ごはんのおっちゃん。
それにしても、店のおじさんも周りのお客さんも、一瞬驚きはしても、とにかく親切!
言葉は通じないなりに、席をゆずってくれたり、ナプキンやフォークをとってくれたり…
スペインの旅全体に言えることですが、とにかくその優しさと明るさに感動しましたわ。
・ 「ツイスト〜!」なシャンデリア夜遊び前のサンドイッチ
昼間の歩き疲れをとるために仮眠してから、バルセロナで夜遊び。
その前に腹ごしらえだ!というわけで、
宿泊していたアパートメントからすぐのケバブ屋さんへ。
バングラデシュ(だっけ?)系のさわやか親切青年店員が流暢な英語(珍しい!)で、
オーダーをとってくれます。
私は生ハムのバゲットサンド、Nくんはステーキとフライドポテト入りサンド。
ちなみにこちらは、ハムといえばデフォルトで生ハムのようです。すごいね〜。
ビールとサンドイッチ…オトナになってよかった!
そして夜遊びは1903年から続く老舗大箱クラブ「ラ・パロマ」へ。
天井の高いシックなフロアには、でかいシャンデリア!赤紫の照明!ベルベットの階段!
そして生バンドで踊りまくる満員の老若男女!
「ツイスト〜!」という掛け声とともに楽しそうに踊る人々を見て、
「ラテンの国だな…」と思いましたわ。
リンク先のオフィシャルHPで、かなりメロメロなステキ写真が観られます。
・最後の夜に、のんびりイベリコ1人部屋呑み
Nくんが一足先にノルウェーへ戻ったので、
最終日の夜はバルセロナでひとり。
昼間に生ハム専門店で買った最上級イベリコ豚生ハムをつまみに、
1本300円(なんとボトル80円くらいからあるのよ!)の赤ワイン。
それとチーズ、オリーブ入りのグリッシーニ、市場で買ったいちじく。
うーん、合うね!すばらしいー!
FMで古いソウルやジャズを聴きながら、ソファーでだらだらと本を読む。
東京に帰ったら激務が…なんて考えずに超のんびり〜。
・駅飲み食い1<乗り遅れのサンドイッチ>
カルロス君状態でサンセバスチャン行きの列車に乗り遅れた私たち…
せっかくのキップがパーですけど。あはは(泣)。
仕方ないので駅で朝ごはん。
カリほわのバゲットに、ハムやチーズをはさんだサンドイッチとコーヒー。
焼きたてのオリーブとツナのピザが出てきたので、それも即追加!
まー、こんなこともあるさ!
・駅飲み食い2<鉄道カフェでゲイとクロワッサン>
サンセバスチャンの鉄道ホームに併設したカフェで朝ごはん。
甘いクロワッサン、コーヒー。
写真は、「長身+細身+長髪にアラン・ミクリのおしゃれサングラス」という、
どう控えめに見てもゲイなNくん。
・駅飲み食い3<駅構内には生ビールサーバーがいっぱい>
列車のキップ購入待ちの間に、駅構内の立ち呑みで一杯。
サンミゲルの生ビール(んまーい!)に、無料のグリーンオリーブ。
この前日にも、同じ場所で同じようにビール呑んでました…。
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