2日目 福江 迫力寿司、五島牛ホルモン、刺し盛り&箱ふぐで名物まみれ


朝9時に福江港到着。わーい!
8時には起きて、大きな窓のある洗面所でキラキラ輝く海を眺めながら歯を磨いてました。
ちなみに、福江は博多から一番遠い場所にある島であり、五島内では最も都会の島。


港も大きめでキレイ。観光案内所もあります。
(五島はインターネットで調べてもあまり情報が出てこないので、
「行って地元の人に聞くのが一番かも」と私にしては珍しく前情報をあまり調べていない。
実際に、観光案内所の人のアドバイスがこんなに役立つ旅は初めてだったわ!)


さあ観光案内所に…と港内を歩き始めると、目の前に現れた大きなのれん。
そこには憧れの「五島うどん」の文字が!!
大きなのれんには吸い込まれる習性ゆえ、ふらふらとのれんをくぐる。


半分は立ち食いで、丸椅子も数個。客は私だけ。
座って「かけうどんください」と注文すると出てきたのは、
思ったより黒めのあごだしつゆに、太目の五島うどん!
店のオバちゃんとお姉さんがめちゃめちゃ感じがよく、
「東京から!へー!楽しんでいってねー」とにこにこ。なんだかいい旅になりそうだな〜。


観光案内所で「五島牛のホルモンが食べたいんですが」とか困惑必死の相談などをし、
(初めて聞かれたって。笑 でも朝10時から電話をかけまくり探してくれました。感謝!)
もろもろと情報を集めて今夜の宿「にしき荘」(一泊朝食付き2500円!)へ。
宿は今夜の分だけ東京から予約をしていたのです。
明日以降は、どの島にどれだけいたくなるか不明なのでその場で適当にとればいいかなと。


港から徒歩10分の「にしき荘」は、限りなく人の家。
玄関には、ほこりをかぶったアップライトのピアノとか新聞山積みとか目覚まし時計とか。
あんまりキレイ好きな人にはおすすめしないかな。笑 意外に部屋は普通だったけど。


「まだ部屋に人がおるけんねー」とのことなので、「あー、いいですよ」と、
シャワーだけ浴びさせてもらって荷物を預けて散策にゴゴー!


まずは、小さな町をぐるりと散策し、宿の近くにある福江教会もサラリとのぞく。
昔、町中が大きな火事になったとき、ここだけ焼失をまぬがれた教会だとかで、
「神の救い」といわれたそう。
外観も内観も真っ白で、ステンドグラスの細工が美しいなー。
とはいえ都会の福江にあるだけあって、一般の教会とそう変わったところはない。


そうそう。
五島は「隠れキリシタンの島」と呼ばれています。
江戸時代に江戸幕府がおこなったキリシタン禁止令に追われながら、
キリスト教をこっそり信仰したカソリックの人々がたどり着いた地なのですね。
そのため、島内には50以上の小さな教会があるのだそう。
教会建築には興味があるので、いろいろ見るぞー。


教会の目の前の路地にある小さな寿司屋「なか乃」でお昼ごはん。
店に入ると客は私だけ。まずはカウンターに座って瓶ビールを呑む。プハー。
目の前のショーケースには、白身を中心に美しい魚のサクがズラリ!
壁にかかった木の札メニューを見ると「まこ煮」(300円)というのが気になるわ。


大将に何か聞くと「魚の卵を甘辛く煮たもの」ですって。わお、それください!!
うーん、口に入れるとほろほろ崩れるやわらかい魚卵。うまー。
しょっぱすぎない程よい甘辛さにしょうがの風味がほんのり。


呑んでばかりってのも何なので、迷わず上寿司(1800円。ちなみに並は800円!)。
それに、九州ではおなじみの魚・ガラカブの味噌汁(時価)を頼む。
すると「はいよっ」と言いながら大将がくるりと振り向き、
後ろのイケスから網でなにやら魚をすくっている様子。え?いきなりイケジメ?


「今の何ですか?」と聞くと「ガラカブ」だそう。
そうかー、生きてるやつだから時価なのね。すごーい。


まずは出てきたのが
ネタもシャリも大きめの白身数種、透き通ったいか、カンパチ?
さらに、うに、あわび、名前もわからないネタいろいろ。
……うーん、なんてことない普通の寿司屋なのに、さすが五島。
とにかくネタがいい!!なんというか白身の歯ごたえが力強くて魚の味が濃い。


聞くと、もちろんすべてが五島の海でとれたもの。
「まぐろとかないのがいいですよねー」とか余計なことを言うと、
「まぐろはこれからが時期ばいね。1メートルないくらいの小さくて旨いのがとれっとよ」
だそうです。えー、そうなんだ!意外!失礼いたしました。
うにとあわびは、「レモンのほうがサッパリして旨いけん」と塩とレモンを出してもらう。


先ほどのガラカブ味噌汁が奥から登場。
大きなお椀にまるごと一尾!……うまーい!


やわらかい白身と麦味噌が合うね〜。ダシが出まくっててたまらん。


そこで「ハイ、コレ」と出てきたのがすごすぎ!なんじゃこりゃ!
先ほどシメたガラカブの生肝らしいんですね〜。ものすごい緑色。


パクッと食べてみると悶絶。
口の中がねっとり超濃厚、鼻を抜けて広がる磯の香り、まったく生臭くなくてスッキリ!
「いやーん、美味しいですねーー!」と感動していると、
「これはイケジメしてすぐじゃないと、どうしてもくさいけんねえ」だそう。
ああ、美味しかった〜。お会計は、ビール大瓶込みで脅威の3500円。安っ。


満足して、さっそく教会めぐりへ。
ただ、次のバスまで時間があるので公設市場をのぞく。
もう昼過ぎなので活気はないが、ざる山盛りのキビナゴ100円がピカピカ!


港から出るバスにゆられて数十分で、水の浦教会に到着。
海沿いの高台にある白亜の建物で、大きめな教会なのにバリバリの木造!
五島で教会を建て続けた教会建築家の鉄川与助氏
(「教会建築なら鉄川」といわれた人なのに、本人は仏教徒だったらしい)の作品です。


柱が肋骨のように天井に向かって伸びるリブ・ヴォールト天井なので、
天井の奥行きがすごい。はー、美しい。
誰もいない教会内の椅子に座って、ぼんやりとステンドグラスから入る明かりを眺める。
それにしても静かだなー。


観光協会でもらった地図を参考に、楠原教会へ。
そんなに遠くないはずなんだけどなー。
………………(30分後)なんだこの地図。汗
縮尺や簡略化がめちゃくちゃで、どう見ても地図上は1キロ離れていないはずなのに、
一向に目的地に着かないんですけど! 地図の書けない人はキライだー。泣
道に咲き乱れるケイトウの花などを眺めて喜んでいたのは最初だけで、
晴れ渡る炎天下の中、徒歩の人には1人も会わず(道も聞けない!)汗だくで延々と歩く。


暑い………。
「もうダメだー!」と、久々に通りかかった白いミニバンに手を上げてとまってもらうと、
30代くらいの茶髪の男性が一人で乗っていた。
「すいません、楠原教会ってこの先にあります?」
「楠原?ああ、こん先ずーっと行くとあるね」「(まだずーっとかよ!)そうですか…」
「乗っていけばええばい」「え!?やったー!」
確かにちょっと期待はしていたが、あっさり助手席に乗り込む。


そして、ぶいーっと5分ほど走ったらありました!楠原教会!
もし行こうとしている奇特な人がいたら、心から「徒歩は無理」とアドバイスしますわ。
ぜひヒッチハイクで!


楠原教会はレンガ造りで、重厚な雰囲気。
このあたりの信者さんはほとんどが農民らしく、
夕方の鐘がなる時間になると畑でお祈りをするらしい。リアルでミレーの絵ですな!
弾圧が激しかったエリアなので、近くには牢獄跡などもあったり。
勝手に扇風機をつけて椅子に座り、神様に「遠かったです…」と報告してみたり。


しばらく休んで元気になったので、来た道をぶらぶらと戻って歩き出す。
バスもあるけど2時間後だし、もう距離がわかってるので気楽ですわ〜。
と思ったら、3分くらい歩いたところで、後ろから来た車がキュッと止まった気配。
ふりむくと「また歩いて帰るんねー」と、さっきのミニバンの人!あれれ?
「どうやって帰るんやろうと思って」と、わざわざ戻ってきてくれたらしいのです。
うわー、ありがとう!やさしすぎる!泣
港に戻るバスが通るバス停まで送ってもらおうとしたら、
「こっちのほうが本数あるけん」とひとつ遠いバス停まで送ってくれた。感謝!
バス停前の農協でアイスを買い、涼みながらバスを待つ。


(ちなみに、この出来事に味をしめて旅の間中ヒッチハイクしまくり。笑
観光案内のお姉さんにこれを話すと「あはは、悪い人はおらんと思うけんね」と豪語。
マジっすかー。お姉さんの妹さんも、大阪から遊びに来たときヒッチハイクしてたらしい)


港に戻ると、まだ時間は4時前。「どうしようかなー」と考えていると、
バス案内表の「香珠子海岸」という文字が目に入る。
海かー。っていうか、何て読むんだろう(「こうじゅし」でした)。行ってみようかな。
というわけで、またバスに乗って海岸へゴー!いきあたりばったり最高〜。


15分くらい揺られたところで降ろされ、
「ここを15分くらい降りると海岸」って…さらに15分歩くの!?
普段、運動不足の私にはハードな1日ながら、
まあ時間はいくらでもあるってことで、ゆったりした下り山道をテクテクと降りる。


途中には「ヤブ椿」という、野生椿が道いっぱいに群生している場所もあったり。
(椿って、庭で上品に手入れされているイメージしかない!)
冬の見ごろには、さぞキレイだろうな。
白い雪の中に、真っ赤な椿の花と、緑の肉厚な葉。
海岸に続く真冬の山道なんて人が通らないだろうに、
誰にも見られず両脇の道いっぱいに咲き乱れる椿ってすごい絵ですな。


だいぶ歩いて海岸が見えた瞬間、思わず「……キレーイ!!!」とつぶやく。
ものすごい透明感のコバルトブルーの海。うわー、すごいねこりゃ。
波打ち際に近づいても、かなり先まで水が透明です。
そして、ものすごく贅沢な気分になってしまうのは、
バスを降りてからこの海岸まで一人も人間に会っていないこと。
(7〜8月の海水浴シーズンには賑わうらしいけどね)
海岸の端から端までを、ひとりでゆっくりと歩く。
だいぶ日が落ちたので、さほど暑くもないし。


バスで町に戻って、宿で一休み。
6時半くらいになると、おなかがすいてきたな。
じゃあ、行っちゃいますかね…ぐふふ。
待たせたぜ、五島牛ホルモンー!!
観光案内所で調べてもらったところ、候補の店が何軒かあったんだけど、
「ぎあら」という焼き肉屋がよさげなのでゴゴー。
途中でおじさんに道を聞くと店の前まで一緒に行って(!)案内してくれ、
「まさかお一人じゃなかよね。え?ひとり?はー、そう、ひとりで『ぎあら』へ…」と、
絶句されましたけども。ははは、すいません。


きれいな店で、看板には力強い「五島牛」「焼肉」の文字が。興奮!
店に入ってカウンターに通され、まずはビールを呑みつつメニューを熟読。
聞くと、メニューにある肉はすべて五島牛だそう。そう来なくちゃねー。
悩んだあげく、特上ホルモン、丸腸を注文。両方もみだれ。


炭火でジュージュー焼いて、サンチュで包んでいただきまーす。
うん、普通に美味しいねー。
ただ両方とも部位が近いし、同じもみだれなので味が一緒。笑


特上ユッケは、サシの入りまくった生肉を太目の千切りにしてある。
うーん、生肉甘い!うまっ!


最初は「卵は生卵が良かったなー」と思ったんだけど、
肉自体のとろりん具合を味わうには生卵だとボケてもったいないかも。
半熟の卵焼きで正解。


ゆで牛テール。
箸で骨から外せるとろけけるやわらかさまでゆでた骨付き牛テールに、
これでもか!と刻みネギをざばーっとかけてあります。ポン酢でさっぱり。


うう、これも美味しい。なんか焼き肉よりサブメニューのほうが評価高いな。笑
あ、近くにあったもう1軒の五島牛焼き肉「味よし」も気になった!
さすがに焼き肉ハシゴはしませんでしたけども。


でも、もちろん居酒屋にはハシゴはしますよ。うふふ。
適当に入ったのは「八潮」という店で、カウンターに案内される。


「お刺身盛り合わせなら、目の前のケースの魚は全部入っとよ」
とのことで、松竹梅から「刺し盛り(竹)」(1200円)を注文。
冷酒も二号瓶でいただきまーす。魚の種類は説明してもらったけど、忘れたので割愛。


しばらく大将と話していたら、市の合併以来、福江もさびれて大変だそうです。
たしかに道を歩いていると「第2の夕張はごめんだ!」とか看板あったしなー。
面白かったのは、上五島(五島列島の上半分の島エリア。福江は下半分)のことを、
まるで違う県のように話すこと。行ったこともないし興味もないって。
後日、上五島でも「福江のことはようわからんけん」って言ってたしな〜。
観光客にとっては福江も上五島も同じ「五島列島」なんだけど、不思議なもんです。


呑んでいると、隣の席におじさん二人連れが来店。
近所の常連さんらしく、東京からだと言うと「五島のもの食ぶっていかんねー」と、
どんどこ出てくるつまみを食べさせてくれる(さすがに写真は撮れず。笑)。
「カットッポ」と呼ばれる名物・箱ふぐの味噌焼き、きびなごの刺身、
ウニのイカ和え、鯵寿司…一口ずつとはいえ、さすがにもう食べられませんー!
お会計も、結局最初の刺身と酒2合分だけで2000円!
けっこう呑んだのに、ごちそうさまでした〜。
ふらふらしつつ、宿に帰って就寝。ちなみに宿泊者は私だけ。

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